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ミニコラム

低用量ピルと血栓症  (2014/01/30)

先日、月経困難症の治療薬による血栓症の注意喚起が報道されました。
この薬剤は、黄体ホルモン卵胞ホルモン合剤(いわゆる低用量ピル)で、子宮を収縮させるプロスタグランジン類の過剰な産生を抑えて、月経困難症の痛みなどの症状を改善します。頻度は低いのですが、この薬剤との因果関係が否定できない血栓症の報告があり、一旦発症すると重篤化するため、血栓症を疑う症状の場合は速やかに受診し、その際には低用量ピルを服用していることを医療機関に知らせる必要があります。
その症状とは、下肢(主にふくらはぎ)の急激な疼痛・浮腫(むくみ)、突然の息切れ、胸痛、激しい頭痛、四肢の脱力・麻痺、構語障害(ろれつがまわらない)、急性視力障害等(ものが二重にみえたり、よくみえなくなる)などです。
血栓症とは血管内で血液が塊を作り血管を塞ぐため血流が途絶え、その詰まった血管の場所により、心筋梗塞や脳梗塞に至ることがあるのです。
このような有害事象は飲み始めて1年以内の場合が多いようです。このリスクを高める要因として、喫煙、高年齢、肥満、家族に血栓症の人がいる場合があげられます。
低用量ピルは、ホルモンバランスを改善し、ニキビや肌荒れが改善したり、月経周期が規則正しくなったりと女性のQOLを高める効果があります。血栓症の発症頻度はまれです。繰り返しになりますが、低用量ピル内服中に血栓症が疑われる症状がでた場合は、必ず医療機関を受診してください。早めの診断や治療で重症化を防ぐことができるのです。(けい)


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