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ミニコラム

腸内フローラ  (2015/04/30)

ヒトの腸管内では多種・多様な細菌が絶えず増殖しています。これらは腸内細菌と呼ばれ、個々の菌が集まって複雑な微生物生態系を構築しています。この微生物群を「腸内フローラ」または「腸内細菌叢」と呼びます。
腸内細菌の構成は食習慣や年齢などにより異なっており、約100種、100兆個も生息していると言われます。これらは酸素が存在すると生存できない嫌気性菌です。
 腸内フローラは、ヒトに対して様々な生理作用を有し、病原菌の定着阻害、免疫系の活性化、ビタミンの産生などの有用な作用と、腐敗産物や発がん物質の産生、各種腸疾患へ関与などの有害な作用の両面があり、ヒトの健康と密接な関係にあります。有害な作用を及ぼす細菌は、大腸菌、ウェルシュ菌、ブドウ球菌などで、タンパク質が栄養源となり、タンパク質や脂質が中心の食事・不規則な生活・各種のストレス・便秘などが原因で腸内に増えます。このような菌が増えると、菌が産生する有害物質により免疫が衰え、様々な病気を引き起こします。有用な作用を持つ菌は、ビフィズス菌やアシドフィルス菌などの乳酸菌です。ヨーグルト・乳酸菌飲料・納豆・漬物などの乳酸菌を含む食品の摂取により、このような良い作用をもつ菌を増やすことが大切です。野菜類・果物類・豆類などに含まれるオリゴ糖はビフィズス菌や乳酸菌の増殖を助けます。ただし、急にオリゴ糖をたくさん摂ると、お腹がゆるくなってしまうかもしれません。バランスのよい食事で腸内の良い菌をたくさん増やして健康維持につとめましょう。(けい)


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