玄米に豊富に含まれるγ-オリザノールが、膵臓β細胞の減少を抑え、インスリンの分泌を促進して血糖値を下げたとの国内の研究が、アメリカ内分泌学会誌に報告されました。
玄米を良く食べる習慣がある人ほど、血糖値の上昇が抑えられ、減量、血管改善等に効果があると言われています。
一方で、2型糖尿病の原因のひとつにインスリンを分泌する膵臓β細胞量の減少があります。高脂肪の食事をとり続けると、変性タンパク質の過剰な蓄積で機能障害を起こし、膵臓β細胞の細胞死が起こります。これを小胞体ストレスといい、摂食中枢で起これば、高脂肪食への依存性がより高くなり、悪循環につながります。
γ-オリザノールが注目されたのは、小胞体ストレスを抑える物質「4-フェニル酪酸(4PBA)」に化学構造式がよく似ていたため。今回の動物実験では、高カロリー食とγ-オリザノールを一緒に摂取した生活習慣病型の糖尿病マウスで、β細胞の機能が保たれインスリン分泌量が増加し、膵臓破壊型の糖尿病マウスでも機能回復が確認されました。今後は臨床試験やγ-オリザノールを有効成分とした医薬品、機能性食品の開発も進められそうです。γ-オリザノールを豊富に含む玄米を活用することで、糖尿病治療の改善に貢献できるのではと期待されるTOPICSをご紹介しました。(byきらめき) |
