中東呼吸器症候群(MERS) | (2015/06/11) | |
最近ニュースで耳にする「MERS:Middle East Respiratory Syndrome」、致死率40%近い感染症です。マーズと呼ばれいています。 2012年に分離発見された新しいコロナウイルスが病原体であり、初期の症状はかぜに似ています。 38℃以上の発熱および咳を伴う急性呼吸器症状があり、X線検査で肺炎や成人呼吸窮迫証拠群が疑われるような場合で、発症前2週間以内に対象地域に居住または渡航歴があるとMERSの可能性があります。また、最近は韓国で流行しているため、2週間以内の韓国への渡航歴も対象となります、 対象地域はアラビア半島またはその周辺諸国(アラブ首長国連邦、イエメン、イラン、オマーン、カタール、クウェート、サウジアラビア、ヨルダン、レバノンなど)になります。 患者から分離されたMERSコロナウイルスと同じウイルスが中東地域のヒトコブラクダから分離されおり感染源動物として最も有力視されています。 まだ、ワクチンが開発されておらず、対症療法での治療になります。 インフルエンザほどの感染力はなく、感染者との接触(家族や医療関係者)により伝播していくと思われます。糖尿病や心臓病などを基礎疾患に持つ高齢者は重症化しやすいので、通院時などには感染予防として、手洗い、うがい、マスクの着用などを心がけてください。(けい) | ||
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